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2008年6月22日 (日)

Battle of Barber

皆様お元気ですか。私は元気ではありません(笑)
まぁ、元気でないのはいつものことではあるのですが、ここ2週間ほど予算編成作業中であり、死亡しております。

何とか生活の方は落ち着いてきたのですが、渡米以来私を悩ませてきたものの一つに頭髪があります。赴任前のドタバタで、そもそも日本にいるときから長かったくらいですから、今は本当に長い。間違いなく人生最長と言えるでしょう。

ところが、ここはアメリカ。少し時間が出来たので床屋に行ってきます・・・何てわけにはいきません。まずもって日本人の髪質を理解していないし、何よりも言葉の壁が分厚い。
「1インチ(約2.5cm)切って」とお願いしたら、1インチだけ残してすべて刈られてしまった悲劇の持ち主は少なからず存在します。

とはいっても、いかんせん日々暑くなっていく中、私の忍耐も限界を超え、ついに近くの「sports clip」なる散髪屋にむかいました。

扉を開けると、床屋というより美容室に近い感じがします。受付を済ませてまつことしばし、呼ばれていよいよ戦場に向かいます。
出てきたのは、ヒンギスを少し美人にした感じの金髪の若いおねえさん。下僕といえども男のはしくれ、思わず眼尻を下げ、二言三言会話を交わしてから席につきます。
まぁ、会話といっても、何を言っているのかさっぱり分からないので、Yeah!とかYes!とか返しただけなんですが・・・

「で、どうする?」
「Please cut by 1 inch」
この”by”には相当気合いを込めましたね。フォアを打ち込む時並のやつね(笑)。

「OK!」とヒンギスねぇちゃん、陽気に応えて散髪開始。どうやら上手く意図は伝わったようです。アジア系の人間は珍しいのか、「どこから来たの?」「私の友達のお父さんは日本に赴任してたわ」「日本食はいいわね。Sushiは最高だわ」などとしきりに話しかけてきます。英語での会話は疲れるのであまり気が進まないのですが、何といっても相手は金髪美人、つい愛想よく応じてしまいます。

前頭部を一通り終えたところで「ところでバリカンは使っていいの?」と聞いてきます。
日本にいたころから横と後ろはバリカンを使っていたので、この質問には躊躇なくYes。

と、やおらヒンギスねぇちゃんバリカンを掴み、当然の様にうなじのあたりから頭頂部まで一気に刈り上げます!

「!?」

全く予想外の展開に度肝を抜かれ、一瞬思考が停止します・・・その間にヒンギスねぇちゃん、容赦なく後頭部から側頭部にかけてバリカンを使うことにド集中。バリカンを使うことで興奮するのか、それとも単にそういう呼吸法なのか、とにかくこのねぇちゃんえらく鼻息が荒い。目を点にした下僕のあたまを「フン!、フッ~!」と文字通り鼻息荒く刈り続けていきます

この床屋はテレビが目の前に1台置いてあり、スポーツ番組を見ながら散髪ができるのが売りなのですが、こちらはテレビどころではありません。このままでは修行僧の様な髪にされてしまいます。
ようやく我にかえり、ヒンギスねぇちゃんが少し手を止めたタイミングで、「横と後ろはいいけど、上が少し短すぎないかな?」と蚊の泣くような声で声をかけます。
ところがこのねぇちゃん、さも意外とばかりに「だって横を短くするんなら、上も切らないとバランスが悪くなるわ!」と言い切りました・・・ヒンギス似なのは顔だけでないようです(泣) 

その後も彼女は作業を続け、坊主頭寸前まで刈り込んだあと、さも満足そうに
「長さはこんなものね。普段どうやってセットしてるの?ちょっとやてみて」と聞いてくるのですが・・・もはやセットするような髪は残っておらず、せめて社会人らしく髪の毛を寝かせようとしたところ・・・

「No!」と語気も鋭く、下僕の試みを全否定。
ジェルをつけて髪をツンツン立たせて、さも満足げにうなずく、ヒンギスねぇちゃん。

「これで大分よくなったわ。でしょ。」
あぁそうかもね。僕もこんな髪型にしたことがあったよ。高校時代にね・・・。

半ば気絶しそうになりながら、店を出て、家に帰ると案の定トンは大笑い。

「中国からの不法移民みたい!」

アメリカの床屋恐るべし、ヒンギスねぇちゃん畏るべし。

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