2007年5月 4日 (金)

男の美学と村上春樹

今日は休みです!
懸念していた決算発表もとりあえずは乗り越え、カレンダー通りの休日を取ることが出来ました。といってもGWの予定はテニスだけなんですが・・・

村上春樹・・・それ程好き、ということではないのですが、新刊が出るととりあえず古本屋で買って読むという程度には好きです。「ノルウェイの森」が私の高校時代に大ヒットしましたが、個人的には「羊をめぐる冒険」が一番だと思っています。

一方で、私がこよなく愛する本としてF・スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」とレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」があります。両者ともに男の美学というものを感じさせてくれると、個人的には感じております。当然のことながら、ハッピーエンドではありませんので、安心して読むことが出来る点も見逃せません(笑)

以前から村上春樹の文章はフィッツジェラルドとチャンドラーを足して2で割った様に感じていたのですが、ご本人もこの両者からは大きな影響を受けたらしく、最近自身の訳でこの2冊を刊行しました。

「グレート・ギャツビー」の方は野崎孝という方が、「長いお別れ」の方は清水俊二という方が訳したものがあります。同じ本を訳しているので、当然のことながら両者と村上氏訳を比較したがるのは人情というものでしょう。

「グレート・ギャツビー」
この本は、以前から村上氏が絶賛しておりまして・・・期待して呼んだのですが、うーん、正直オリジナル訳の方が自分は好きです。解説には「オリジナル訳の当時とは如何せん時代が変わっているので、現代風にアレンジしてみた」的なことが書いてあったのですが・・・その古めかしさが良い味を出していたんですけどね~。
致命的なのは、主人公が頻繁に使う「old sport」という言葉の訳し方。オリジナル訳だと「親友」なんですが、村上氏訳では「オールド・スポート」となっておりました。どうも「この言葉の持ついかがわしさまで考えると「親友」というより「オールド・スポート」の方が良い」ということらしいのですが・・・英文学に造詣が深い村上氏ならそうなのかもしれませんが、こちらは生粋の日本人。「オールド・スポート」とか言われても、何のイメージも湧かないんですよね。いかがわしい響き、という点も含めて「親友」の方が全然宜しいかと感じましたな。

「長いお別れ」
以前こちらで簡単に紹介しましたが・・・ハードボイルドの象徴的な作品と崇められております。私がこの本を初めて読んだときには衝撃を受けました、特に最終章の格好良さと言ったら・・・筆舌に尽くしがたいものがあります。学生時代には原書を入手し、読めもしないのに、格好つけて読む振りをしていたことを良く覚えています(笑)
どうやら衝撃を受けたのは村上氏も同様らしく、解説にはそんなことが書いてありました。一方、訳の方ですが、オリジナルでは割愛されていた部分も訳してあり、その意味ではより原書に忠実なのかもしれません。その点「グレート・ギャツビー」よりも良いと感じました。ただ、一番のヤマである最終章だけは頂けません。オリジナルの言葉の選び方の方が百倍格好良いですな。
それと、大いに不満なのが表紙。

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こんなデザインになっちゃっております。
何か軽いです。

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こちらが、オリジナル訳バージョン。
こっちの方が1億倍格好良いです。

なんだね、新しい方のカバーは。センスのかけらも感じやしない。
何か、作品の持つ品位を下げられた様で、下僕的は大いに不満ですな(笑)

ただ、村上氏自身の解説には、チャンドラーの文章の魅力・雰囲気についての分析や、実はチャンドラーがフィッツジェラルドが好きだった、とか色々興味深いことが書いてありました。それだけが救いでしょうか。

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2007年2月 4日 (日)

絶望からの帰還とエドバーグと日米比較論

久しぶりに本ネタです。

「アポロ13号 奇跡の生還」 ヘンリー・クーパーJr.著

不吉な数字として避けられる13をあえて採用した、いわくつきの月ロケットが、月に行く途中に事故に合い、一時は生還が絶望視される状況に陥りながらも、地上の管制官・乗組員が死力を尽くし、無事帰還するまでのノン・フィクションです。
このエピソードは、10年くらい前に「アポロ13号」というタイトルで映画化されてます。確か主演はトム・ハンクスで、フット・ルース(古い!)のケビン・ベーコンも出ていた様に思います。
このケビン・ベーコン、フットルースのときはステファンエドバークに似てると思ったのですが・・・  この映画のときは、普通のサラリーマンっぽくなっておりました(笑)

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このネタ、分るのは過去のイケメンにも造詣が深いYプロくらいでしょうか?

回り道をしましたが、本の感想を述べると・・・

「やっぱり、アメリカってすげぇや!」

何がすごいって、色々な危機的状況を想定して、様々なバックアップをあらかじめ持っておくという、プロジェクトの成功に突っ込む資源の量と質に感銘を受けました。(もっとも、本当に起きた事故は全くの想定外だったらしいですが)
何せ、地上の管制官が使っているシステムがもう1セット予備にとってあるってくらいですから。こんな国と戦争をやって勝てるわけがありません(^_^;)

一方、事故の原因は何かというと、宇宙船製造時に液体酸素タンク内に設置されていたヒーターの部品(コイル)の規格を間違えため、起動時のショートによって火災が発生したという、かなりお寒いもの。

このあたりに、日米の違いがある様に思います。恐らく、宇宙船を製造したのがトヨタだったらこんなことは起きなかったでしょう。

極論してしまうと、現場を重視し、個々の従業員の技術水準を芸術的な域にまで高めることで、高品質と低コストを実現する日本。それに対し、「ミスは必ず起きるもの」という観点から「どこまでのミスなら耐えうるか」「ミスが起きたらどう対応するか」というシステムつくりで、目的達成を合理的に追求するアメリカ。これは安易な結論づけは出来ないのですが、歴史的な背景から来る文化の違いなんでしょうか。

どっちが優れているんでしょうか?個人的にはモノ作りであれば日本型。戦争とか宇宙旅行とかいう国家的プロジェクトになるとアメリカという気がします。アメリカ型は良くも悪くも「個人」を信用してないが故に、頭の良い人たちが寄ってたかってすごいシステムを作りだす。この様なやり方でないと、巨大プロジェクトは成り立たないのでしょう。一方、ことモノ作りということに限っては、どんなにシステムがすごくても、どこかしらに人の手はかかるもの。その人間がボンクラだとしたら、失敗はどうしても起こるわけでして・・・

ちなみに、この時の管制官の責任者の年齢はなんと36歳。今年自分36歳になるんですが・・・この人の100分の1の力も発揮できそうもありません。やはり人間にも格の違いというのはありますんですな。「人間は平等」という言葉があります・・・大ウソだと思います(笑)

ちなみに、この本を訳したのは立花隆ですが、この人は東大の仏文を卒業後、「知的好奇心から」もう一回受験し直して東大の哲学科に入り直したそうです。
自分、100年かかっても、いや、生まれ変わっても、東大になんか入れそうも無いんですが(自嘲)

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2006年12月21日 (木)

読書の冬!

世は年末モードですが・・・連日の終電帰りはつらいですな。
ただこの季節、何となくぬるく仕事しても許される様な感覚があり、個人的にはとても好きです(^_^;)

昨日は、うにコーチのチャットにお邪魔しました。
実はチャットというのは初体験でございまして・・・かなり緊張しました。
参加している方も、高名なブロガーの皆様ばかりで、そこで交わされるトークも一際格調高く、そう、例えるなら神々の対話というところでしょうか(笑)。疲れていたこともありましたが、そのハイブローな内容にも圧倒され、早々に退散してしまうヘタレでした・・・。今度参加する時は、ビールではなく、バーボンを片手に挑むことにします。それも水割りじゃなくて、トリプルくらいのロックで・・・でないと場の雰囲気に負けてしまいます(笑)

そうそう、今トンが旅行中なのですが・・・帰国が25日なので、今年のクリスマスはまったくの独り身で過ごすことに。もっとも前年は仕事かテニスかどちらかで、何もイベント的な要素なしに過ごしたので、実は大差ないのですが(^_^;)

ということで、今週末から来週末にかけて読む本を、先週末に買い込みました!

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色々買いましたが、メジャーなのは「さよなら絶望先生」の第6巻と、「ローマ人の物語」第15巻でしょうか。

絶望先生は・・・5巻より少しばかりブラック度が落ちた様な気がして少し残念。「ローマ人・・・」の方はクリスマスの夜用に取っておきたいと思います!それにしてもこの本、1冊3千円とは・・・少しばかり高すぎないだろうか。

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2006年12月14日 (木)

青が散る

今日も疲れました(^_^;)
こんな日にはPCと向かい合いながらも、ふと昔の記憶がよみがえるから不思議です。

そんなわけで、今日は宮本輝の「青が散る」をご紹介したいと・・・
テニスバカたるもの一度は読むべき名著でございます。

作中に、幾度か主人公のテニスの試合を描写する場面がありますが、これを読む限り、宮本氏も学生時代は相当なテニスバカだったんだろうな、と親近感を持ちます。
ちなみに、この主人公は最後の年にインカレに行きますが、宮本氏はどうだったんだろう、あとがきには「ずっと無名な選手でした」とありましたが・・・

ちなみにこの小説はテレビ化されまして、確か主人公を石黒賢、ヒロインをリーこと二谷友里恵が演じたと思います。私は見てませんが・・・見なかったほうが良かったと思います。多分(笑)

この本も他の私が好む本同様、ハッピーエンドではありません。
それどころか喪失感がすごく大きい本です。自分はこの本を高校生のころに読みまして「自分もこんな風に何もかも中途半端なまま、大学卒業して就職しちゃうんだろうな~」と虚無感に襲われましたのをよく覚えております。

事実そうなりました(笑)
おそるべしは、宮本輝の文章力ですな。

そうそう、我が相方のジミーもこの小説の大ファンでした。
「(好きな女性を射止めるには)大きな心で押しの一手や」という主人公の友人言葉にやたらと感じいっていたものです・・・

これだけは、ちょっと違うと思います。

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2006年12月 9日 (土)

人は信じるなかれ

そろそろボーナスのシーズンでしょうか。一応下僕の会社もボーナス出ました。一応、ですが・・・

本日は法事ということで、テニスはお休みです(^_^;)
代わりと言っては何ですが、不夜城シリーズの完結編「長恨歌」を読んでました。

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不夜城シリーズ、素直に面白かったですね~。私はひねくれ者なので、話題になったときには読んでおらず、今年に入ってから全て読みましたが、何がいいって、ハッピーエンドが一つもないのが良いです!下僕の本を選ぶときの選択基準は、ずばり読後感の重苦しさです。今更若い男女の「美しくも切ない」恋愛物語を読んでも、自分の現実とのギャップで嫌になるだけですから(笑)

やはり、出来としては最初の「不夜城」が1番でしょうか。2番手の「鎮魂歌」と最後の「長恨歌」は、少しばかりストーリー展開に強引さがある様に感じます。何もそこまでして意表をつくことに拘らなくても、という感じでしょうか。

これを読んで、やっぱり中国人って怖い!と思い、触発されて呼んだのが「毛沢東秘録」。

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これはバリバリのノンフィクションで、大躍進政策から文化大革命、そして4人組逮捕までの中国政治の裏を描いております。読後感の暗さからいったら、こちらの方が「不夜城」より上かもしれません。何たってノンフィクションですから・・・

それにしても、毛沢東は怖いですね。下僕的には上司にしたくない人の断然№1です。あえて例えるなら外資系でよく見かけるという「ナンバー2キラー」でしょうか。ある人間に目をつけてナンバー2の地位にまで引き上げ、そいつに自分の施策をやらせておいて、失敗したらそいつを切る。上手くいったらいったで自分の手柄。そして、そいつの権勢が自分を脅かすまでに成長すると、違う人間を引き上げて今のナンバー2を蹴落とさせる・・・

ひょっとすると、中国人そのものが怖いのかも知れません。
「不夜城」には「中国人にとって、相手を恨むとはただ殺すことではない。相手の持っているものを全て奪い取って、そのことを見せ付けてから殺すことだ。」なんて言葉が出てきますし、毛沢東はフルシチョフに「わが国には10億の人間がいる。核戦争で9億人死んでも1億人は生き残る。それでアメリカに勝てるんなら全然いいじゃないか。」と言ったみたいです。(この言葉、落合信彦の本で知りました)

一方、「ナンバー2キラー」が何でこんなに上手くいくかというと、・・・、そうです共産主義だからです。何てったって一党独裁。専制政治です。全ての権力を持つのが王様なのか共産党のトップなのか、という点しか違いはありません。
資本家を倒すための革命を進める使命を持った共産党のみが正しいという建前ですから、そのトップにいる人間に「○○は反革命的だ」と言われたら最後、無実だろうが何だろうが、あっという間に失脚します・・・。

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そんな共産主義のあり方をものの見事に描いたのが、このオーウェルの「動物農園」。この本を読むと、共産主義が恐ろしいというよりも、その実態を知りながらも何ということはなく従ってしまう、国民の方が恐ろしいと思ってしまいます。もっとも、自分の実生活を考えるとものの見事に「会社の犬」になりきっていますので、「とりあえず長いものには巻かれとけ」というのは人間の本性なのかもしれません。
ちなみにこの著者オーウェル氏。貧乏な環境にありながらイギリスの名門校に進学するような優秀な人だったらしいのですが、常に悲観的で、周囲に対して被害妄想・劣等感を感じていたそうです。この点、私はすごい親近感を覚えます(笑)

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2006年9月28日 (木)

ノーベル賞候補!

こんなニュースを発見しました。

 世界最大規模のブックメーカー(賭け屋)、英ラドブロークスが26日、10月発表のノーベル文学賞受賞者の予想オッズを公表。作家・村上春樹氏(57)を34倍とし、18番目に名前を挙げた。村上氏は今年3月、2004、05年と2年連続で受賞者がその年のノーベル賞に輝いている「フランツ・カフカ賞」(チェコ)を受賞したことから、ノーベル賞も有力視されている。(中略)
村上氏はさらに今月25日、短編小説「ブラインド・ウィロー・アンド・スリーピング・ウーマン」で第2回フランク・オコナー国際短編小説賞を受賞。日本で02年に刊行された長編小説「海辺のカフカ」は、英紙フィナンシャル・タイムズの「2005年のベスト本」、米紙ニューヨーク・タイムズの「2005年のベストブック10冊」にも選ばれるなど、国際的評価も高い。

村上春樹、ノーベル賞候補ですか・・・凄いですねぇ~。
私が高校生の頃に「ノルウェイの森」が大ヒットしたのをよく覚えています。ただ、自分としては「羊をめぐる冒険」の方がよっぽど面白く、何であんなに売れるのか良く分らないのが実感でした。一通りこの人の本は読んでおりますが、最近は複数の異なるストーリーを同時並行させる手法がなぜか多いですね。あと、必ず○ッ○なシーンが出てきますな。自分、文学的なセンスもないので、この手のシーンがどんな効果をもたらすか、全然分りませんが(^_^;)
あっ、この人は海外の訳書で凄くいい仕事してるって思います。私の大好きな「没落の作家」フィッツジェラルドに激しく入れ込んでいるようですし、レイモンド・カーヴァーの本もこの人の訳で初めて知りました。

もっとも、会社でとなりに座っているN女史は「ノーベル賞?それって村上春樹の本を英語に訳した人がえらいんじゃないの~」とのたまっておりましたが・・・結構そんなものかもしれませんね(^_^;)

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2006年9月 7日 (木)

糸色望

と書いて絶望と読むのが、私がこよなく愛する「さよなら絶望先生」の出だしでございまして・・・

最近は・・・鬱です。
仕事・人間関係で凹むこと多しでして・・・ネガティブシンキングの王様を自任している下僕です、こんな時は「僕は世界中の人に嫌われている・・・生まれてきて済みません」的な思索が広がり、ベン・ジョンソン(古!)並みのロケットスタートで堕ちていきます。

そんな中、手に取った本がこれ。
「ビジネスマンのためのメンタルタフネス」でございます。
著者は、あのメンタルトレーニングの草分けジム・レーアー博士です。

簡単に要旨をまとめると
・人の心理状態は①ハイ・ポジティブ②ハイ・ネガティブ③ロー・ポジティブ④ロー・ネガティブの4つに分けられる。
・ビジネスマンにも、スポーツ選手同様に「絶好調」のときがある。
・ハイ・ポジティブ=「絶好調」ではないが、「絶好調」になるときの心理状態はかならず、ハイ・ポジティブの状態にある。
・ゆえに、自分の心理状態をハイ・ポジティブにキープしておくことが、成功するのに不可欠。
・そして、自分の心理状態は自分でコントロールすることができる。
というものです。

博士によると、自分の心理状態をコントロールするには、食生活や態度、モチベーション等の要素で可能になるらしく、各要素でどうしたらいい状態に持っていけるかの解説もついております。これが、果てしなく面倒くさそうですので、とても下僕はやる気にはなりませんが、その要素の中に「ユーモア」が含まれていることには、意外感がありました。

もっとも、ユーモアにもいいものと悪いものがあり、「俺の残業代、マックの時給以下だよ」的なブラック・ユーモアはロー・ネガティブの典型的な例だと・・・道理で自分はブラック・ユーモアを好むわけです。

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2006年7月12日 (水)

歴史の話

今日は本の話です。また、マンガネタをやってしまったので、今日はサラリーマンらしく歴史物の話をさせて頂きたく。

下僕、実はジャンルの本が一番好きですので、時として会話が懐古趣味となり、会社でとなりに座っているN女史からは「あんたタイムスリップしてきたんじゃないの」などと嫌味を言われておりますが、もちろん現代人でございます(^_^;)

Photo_11 まずは宮城谷 昌光の「あん子」です。変換が上手くいきませぬぅぅ!!
中国の春秋時代のお話ですが、他の中国物と同様、人物に焦点が当たっていて、政治的な陰謀なんかが多く描かれている分、結構フィクションも混じっている様には感じます。大体世の中国物は史記が紀伝体で書かれているからか、個々の人間の行動や心理的な側面が前面に取り上げられており、その点「ローマ人の物語」の様な語り口になれた方にはちょっと違和感があるかもしれません。でも私は結構好きです。なんてったって、人を信じることがどんなに愚かなことか、よ~く教えてくれますから。

Photo_12 続いて歴史物といえばこの人、司馬遼太郎氏の「最後の将軍」です。
これは徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜の話ですが、この人はメチャクチャ頭が良く、しかも何事も器用にこなす人だったようです。何でも大工並みに鉋をかけたり、漁師の様に網を打ったり出来たらしいですが、実際にこの手の人はたまに見かけますね。いわば「天才」というべき人だったらしいのですが、そんな人間がトップにいて何故徳川幕府は滅びざるを得なかったか、このあたりはこの本に加えて、司馬氏の一連の著作を読んで頂ければよく分るかと思います。

下僕的には、こんな人がトップにいる会社は大変だろうな、なんて野暮なことを思ってしまいます。メチャクチャ頭が良くて、先が読めて、そのくせ自分が何を考えているかを説明したがらない。ホンマ、上司なんかになられたら厄介な人です。スティーブ・ジョブスなんかもこのタイプの人なんだろうな・・・ちなみに、下僕的にはアップルとマイクロソフトで、あそこまで差が開いたのは、トップの性格の差が大きいんだろうな、と感じております。

念の為に申し上げますと、別にジョブス氏が嫌いなわけではありません。氏の高名なスタンフォード大学の卒業祝賀スピーチなんて、ここ20年で最高のスピーチなんじゃないでしょうか。当社の社長が10年考えてもこんな話は出てこないでしょう。
もっとも、似たようなことは夏目漱石も言ってますので、この手のテーマからは名スピーチが生まれやすいのかもしれません。

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2006年7月 6日 (木)

寒い時代だと思わんか?

今週は平日にも関わらず、更新が多いですが、何を隠そう激ヒマです。現在課長が新婚旅行でイタリアに、同僚のY君は研修に、ということで、課では私一人しかいない状態です。サラリーマンの原則として、かかる状況のときは早帰りするに限る遅くまで残っていると必ずトラブルに巻き込まれますから(^_^;)、ということで、今週はずっと19時上がりなのです。

現在研修中のY君に、愛読書「さよなら絶望先生」を貸してあげたところ、そのお返しという事でマンガ版1stガンダムを貸してくれました。大の大人がマンガを貸し合っているなんて知能指数が低そうな会社っすね・・・

404713503809lzzzzzzz うーん、意外に面白いっすね。作者はキャラクターデザインを担当した安彦良和氏ですが、アニメ版には無かったサイドストーリーなんかがあって、ガンダムの奥深さを改めて認識しました。

しかし、改めて見てみるとガンダムには子供向けアニメとは思えない、渋いセリフが多いですね。今回借りた1-3巻にも名セリフが並んでます。

曰く「殴ったな!親にも殴られたこと無いのにぃ!」

曰く「 認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちと言うのは・・・」

極めつけは、明らかにナチス将校のイメージを前面に出しているワッケイン司令のこの言葉でしょう。

曰く「我々に出来るのはサラミス1隻付けてやるだけ、寒い時代だと思わんか?」

ちなみに、ガンダムのキャラで一番好きなのは、「戦いの中で戦いを忘れた」男、ランバ・ラル大尉であります。戦いに敗れるというのは、こういう事だぁ~

 

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2006年5月28日 (日)

ゲバラ!

今日は「ゲバラ日記」を紹介です。

ゲバラとは、ご存知のとおりキューバ革命の英雄にして男の中の男、チェ・ゲバラですが、

404317001709_scthumbzzz__3日記には、彼がゲリラ部隊を率いて転戦するところが描かれているのですが、編集がないだけあって生々しいです。キューバ革命以来の同志がすぐ怠けるいっては嘆き、ゲリラ部隊の誰かが食料を盗み食いしたといっては怒り、予定通り物事が進まないことに焦り、仲間同士で喧嘩があったことに悩み・・・彼の様な英雄も苦労するんだなぁ、それも会社の中間管理職みたいなことで、なんてことが実感されました。感銘を受けたのは、苦境かつ多忙にあっても必ず月に一回は「月次レポート」みたいな総括があり、そこではかなりポジティブに物事を捉えていることです。やはり、リーダーたるもの希望を失ってはいけないのですな(^_^;)

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2006年5月 7日 (日)

実用書

先日はマンガ本について、熱く語らせて頂きましたが、パ○ンのチームメイトのミッチーさんから、「面白くて役に立つ実用書を」とリクエストされましたので、マンガしか読んでないと思われるのも心外ですし、ちょっと紹介です。

まずはこれ、「メンタルマネジメント 通勤大学MBAシリーズ」です。
おいおい、いきなりテニス系かよ(笑)「メンタル・タフネス」じゃないって、と思われるかも知れませんが一応ビジネス書です。まぁテニスにも応用が効きますけど・・・。

ビジネス書には心理面にフォーカスしたものと、実務面を主に取り扱っているものの2種類に大別できるのでは、と思います。昔「7つの習慣」というベストセラーがありましたが、これは前者ですし、この本もタイトルとおり前者に属する本ですな。

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この本は、何かの知識を教えてくれる本ではなく、今まで聞いてきた、感じてきたこと要領よく整理してくれてると感じました。MBAなんて言葉が入っているんで、毛嫌いされる方も多いかも知れませんが、内容的には、EQの大切さや対人関係の築き方等々が、コンパクトにまとまっていて、結構役に立つと思います。なにより薄い本ですので、すぐ読めるのがいいです(笑)。もっとも、アマゾンの書評で酷評している方もいたので、人によるのかも知れません・・・その人はこの本を上司に薦められたらしいのですが、確かによほど仲良くない限り、この手の本を薦められること自体が不快でしょうな。精神的に何らかの欠陥があると指摘されている様なものですから(笑)。

お次は大前研一先生の「企業参謀」です。

大前先生(というよりはその周囲かな)も最近ではすっかり宗教がかってしまいましたが、この本は氏のデビュー作的な本ですので、今と比べるとかなり謙虚です(笑)。

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1985年出版の、かなり古い本ですが、内容的にはまだまだ色あせてない部分が多いと思います。ここで語られている考え方が全て正しいかは分りませんが、個人的には、この本に大前氏がことある毎に口にする「プロフェッショナル」のエッセンスが詰まっていると感じてます。
すごく強引なたとえをすると、ビジネス書版「ウイニング・アグリー by ブラッドギルバード」でしょうか。今は安い文庫本もありますので、続編とセットで買うといいっすよ。

というわけで、ミッチーさん如何でしょうか?ミッチーさんだったら「新・資本論」のほうが良いかも知れませんね。まぁ、既にお読みでしたらご容赦を・・・。

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2006年5月 5日 (金)

下僕的マンガ論

本日の試合は・・・語る術がございません。しばらくテニスのことは忘れることにします・・・好きなだけ笑ってください。

絶望のうちに、ふと気付くと足はマンガ喫茶の前に。

下僕、今までに文学本やノンフィクション物を紹介しておりましたが、いわゆるマンガ本も高く評価しております。よく欧米の識者の「日本のサラリーマンは通勤でマンガを読んでおり、その知的レベルが疑われる」的な発言を耳にしますな。下僕は思います。そりょそうでしょうよ。あんたらは小学生以下を対象とした、死ぬほど退屈なディズニー物や、やたら能天気な勧善懲悪ストーリーしかないアメコミしか知らないんだから(ファンの人がいたらすみません)。
それに引き換え日本のマンガは・・・「ゴルゴ13」が見せる、虚構とリアリティの絶妙な配合。「BJによろしく」が提示する、現実の残酷さと人間の生命の尊厳。「アドルフに告ぐ」がつきつける、人間の行為の正当性に対する不断の問い。「スラムダンク」が展開する、現実のNBAすら凌駕する躍動感とそのキャラクターの鮮烈さ。初期の藤子不二雄の短編SFアニメによって掻き起される知的好奇心。「るんるんカンパニーが生み出す強烈なナンセンス等々・・・どこに出しても恥ずかしくない名作は枚挙に遑がありません。日本の「マンガ本」のレベルは世界イチィィィ
まぁ、「知識を増やす手段」としては勧めませんが。

会社後輩のY君が「下僕さん向き」と薦めてくれた「DEATH NOTE」と、ミッチーさんが「マジでキャラかぶってますよ」と太鼓判を押す「さよなら絶望先生」。今まで読まなきゃと思ってた本を、今日は一気読みしてきました!

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まずは「DEATH NOTE」(1~11巻)。ストーリー展開も良くできているし、素直に面白いマンガだと思います。ただし、字が多くて読むのに疲れます(^_^;)。すごく売れているみたいなので説明不要と思いますが、殺人犯「キラ」と彼を追う者の「知恵比べ」が見せ場で、このあたりは「沈黙の艦隊」と似ているのかな。中々読み応えがありました。ただ、ただ、これも「沈黙の艦隊」と同じなのですが・・・中盤以降はどうしても展開に無理があるかな、と感じることしばし。下僕的には辞め時を逸した名作でしょうか。ちなみにこれは、映画化(もしかしたらテレビ化かも?)するらしいですが興業的にはともかく、内容的には失敗する方に全財産かけます。こんなストーリー展開の複雑なものは、原作を読んだことの無い人が映像で1回見ただけではまず理解できないし、原作を読んだことのある人は、それはそれで原作とのギャップに幻滅すること請け合いです。

お次は「さよなら絶望先生」(1~3巻)・・・これは凄いマンガです。キャラクター設定の巧みさ。いたる所に設置されている「知っている人だけが知っている」小ネタ。全くストーリーと関係のない「前回までのあらすじ」や巻末の「紙ブログ」。

406363646101_scthumbzzz__3 いやぁ参りました。モロに下僕の好みですし、あまりの面白さに声出して笑っちゃいました・・・マンガ喫茶で。お陰で周囲の人からは不審者扱いです。今までの下僕ギャクマンガランキングのベスト1は、前述の「るんるんカンパニー」でしたが、これはいきなりの初登場2位って感じです。それにしても、この著者は博識だなぁ。本当に感心する一方で、どこまでこの質が維持できるかちょっと心配です。現在3巻ですが、この密度の濃さでは5巻くらいが限度かな、それ以上いくとレベルが落ちそうで怖いです。DEATH NOTEもそうですが、マンガというものは長く続くとどうしてもワンパターンになりがちで・・・連載作品の宿命でしょうか。

というわけで、マンガ喫茶に何と8時間滞在してました。テニスで負けて、いじけてマンガ喫茶に入り浸り。しかも34歳にして・・・我ながら情けない・・・。

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2006年3月11日 (土)

火宅の人

やっと今週も終わりです・・・疲れました~

Photo_7ところで今週読んだ本の紹介です。「檀」沢木耕太郎氏の本です。作家檀一雄氏の奥様のお話で、沢木耕太郎氏は猿岩石懐かしい!の元ネタとなった「深夜特急」の著者で有名なノンフィクション作家ですが、ここでの「私」は著者ではなく、檀夫人が語る形式をとっています。解説には「一人称話法のノンフィクション」などとありましたが、正直良く分かりません(^_^;)

で、この檀一雄氏、奥さんがいながら不倫をし、それを公言したばかりか作品にまでしてしまう、というかなりの人物なのですが、それを奥様の視点から淡々と描いています。この檀氏、「一目見て好感を持たれる」タイプらしく、奥様も一時は浮気をされてひどく憎む一方、結局は檀氏のことを愛し続ける・・・。
この作品はすごく評価が高いのですが、私の第一印象は「なんてうらやましい!」うーん、我ながらあさましい。
下僕は正直女性にもてない方で、よく「話さなければいい男」などと言われました。10年前は、ですが(T T)。その度に大きなお世話だい!いつか本当の自分を分ってくれる人が来るんだ~!と思っていたら10年経ちまして・・・結局下僕の良さを分ってくれたのはトン(家内)だけでございました・・・。

話は変わりますが、この沢木氏はエッセイの名手でもあります。その中でハードボイルド小説に触れたものがあり、「魅力的なハードボイルド小説の主人公に必要なものが二つある。一つはたまらなく魅力的な悪女、もう一つは心底分かり合った男の親友。」そう、やはり真の漢はこうでなくちゃいけないっすよね!私には両方ありません。これから探さなきゃ。

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2006年2月26日 (日)

黄金の腕

本日は試合が雨で流れ、読書を決め込んでます。

Photo_5今日の本はこれ、阿佐田哲也著「黄金の腕」です。阿佐田哲也といえば「麻雀放浪記」が圧倒的に有名ですが、ホント凄い作家だなと思います。一発で読者をつかむストーリー展開は別として、登場人物の苛烈な人生が、実にリアルに描かれています。当然フィクションなのでしょうが「世の中にはこんなきつい世界に住んでいる人たちがいるんだ、それに比べればサラリーマンなんて、なんて楽なんだろ」と思わせてくれます。従い、つらい時に読むことをお薦めしますですと。あと、読後はやたらと喉が渇きますので、そのつもりで。

で、この黄金の腕ですが、短編集ですので、「麻雀放浪記」とはちょっとスタイルが違います。文学雑誌に連載されたこともあり、阿佐田哲也と色川武大の中間点に位置する様な感覚を覚えます。タイトルにもなった短編は、ストーリーの展開、伏線の張り方、結びと完璧です。何がいいって、このタイトルが良いですな。

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2006年2月13日 (月)

その不完全さが・・・

060211_1638 下僕、昨日買った色川武大の「怪しい来客簿」を読みました。

ちなみに下僕は本を買うのはもっぱら古本屋専門です。
で、行きつけの店がここ、浦安のブックオフです。
いつもガットを張っているテニスショップの近くにあるので、
即張りを依頼してその待ち時間に本を物色することが多いです。

で、色川武大ですが。「麻雀放浪記」で有名な阿佐田哲也と同一人物ということは知っていましたが、今まで読む機会がなく。昨日偶然発見!ゴミの隣にこの様な掘り出し物が埋もれているのが古本屋の醍醐味ですな。
色川氏がナルコレプシーという、周期的に強烈な睡魔に襲われる病気を煩っていたのは有名な話ですが、「怪しい来客簿」はそんな自分を他と異なる「奇形」として位置づけている氏と、何らかの形で交流を持った人々を描いた作品です・・・凄い作品です。「麻雀放浪記」も凄い小説ですが、この連作も凄いです。

出てくる人々皆何かしら陰があり、中には物乞い同然の老女の話なんかも出てきますが、全編に氏の彼と彼女らに対する「愛情」「やさしさ」がみなぎってます。小暮力三という強打だけが自慢で、守備も走塁も駄目なプロ野球選手について「その不完全さが哀しいし愛しい」と評したくだりは胸を打ちます。この言葉は当分下僕の胸に住み着きそうです。

日曜の夜を有意義に過ごせて、今日は満足です。

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2006年2月10日 (金)

今日読んだ本

今日は本を紹介させて下さいませ。下僕は意外と?本を読むのです。ジャンルは問いません。ビジネス書や教養書からヤンマガまで、幅広くカバーしております。まぁ、あまり身についてないので自慢になりませんが。

Photo 初回なので、見栄を張ってビジネス文書
から(^_^;) 結構前に買った奴を久しぶりに引っ張り出して読みました。基本的に原則立脚型の交渉術を推奨しており、「人と問題を分離する」等の”教え”にはなるほどと思わせるものがあります。この手の本には珍しく、あまり文書が読みやすくないのが残念です。もっとも下僕的にはどちらも原則論に立って交渉した場合はどうなるの?という疑問が最後まで頭を離れませんで、ちょっと欲求不満です。会社だとそんな交渉ばっかりだよねぇ。しかも2者択一という場合がほとんどで、「双方が満足する解決策」も見つからないし・・・

決算発表前で最近早く帰れませぬ。今日も疲れましたぁ! 

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