陽気な人たち
後任の人事や帰国の日程も決まり、かなり日本に帰る感が高まってきた今日この頃です。
人間の心理の常なのか、こうなると今のアメリカ生活の良い点が胸を突いてきます・・・広い家に道路、駐車場、抜群の通勤環境、安いビールに牛肉・・・中でも一番惜しまれるのはアメリカ人独特の明るさでしょうか(笑)
いや、ほんとに皆暗くならないんですね・・・下僕的には赴任した2008年や昨年前半はかなり業績的にも厳しく、つらい施策も数多く打ち出されたのですが、内面はともかく外面的には皆陽気に振舞っていました。
この辺りは、自分と正反対なだけに、個人的に非常に大きな関心がありまして・・・私がみたところ、アメリカ人の「DNA」のなせる業と見ています。
一番大きなポイントとしては、彼らが基本的には加点主義だということでしょうか。何かを自発的にやろうとすると、それだけでこちらが照れる様な賛辞が送られてきます。また、たとえその結果が寒いものであったとしても、"that's great plan"だとか"your idea is impressive"などと返ってきます。
ここでは自主性を尊重する教育ともあいまって「何事であれチャレンジすることは好ましい」というDNAが刷り込まれているのです。従って、仕事でも部下のアウトプットに対する上司の反応は、まずお礼と称賛。当然NGも出すのですが、それについても「以下の点を改善すると、さらにexcellentなものになるから、検討してくれるとうれしいな」的な言い方をします。
以上を端的にまとめると・・・アメリカ人は怒られることがほとんどないのです。
そりゃ明るくなって、ポジティブ・シンキングの一つでも身につけようって気になるもんです。
典型的な団塊jr.世代として、受験勉強、就職活動、サラリーマン生活・・・過酷な減点主義の競争を生き抜いてきた下僕 「勝ち抜いてきた」ではありません、念のため(笑) です。
通常の業務においても、よほどの秀作でもない限り、上司から返ってくるとのは基本的には間違いとか足りない点の指摘、相手が悪いとさらに罵声がおまけとして付いてきます(笑)
そんな自分にとって、ここがまるで天国の様に映ったのは、皆さんのご想像の通りです・・・ただ、下僕にとって不幸だったのは、私には日本人の上司と日本の本社がいたということ。そう、上からは日本式にガンガンに責められ、下にはアメリカ式にやさしくソフトに対応、という絵に描いたような中間管理職待遇を満喫することができました(笑)
ましてや、財務というのは色々「標準」がある世界、たまに目を覆いたくなるような「クリエイティブな数値」を提出されて、PCの前で凍りつくことも数知れず・・・
たかがアメリカ人、されどアメリカ人、僕は何気にうらやましい・・・
下僕の法則その19
「悪いことこそすぐに報告せよ」と言う上司に限って、悪い話を報告すると解決策を用意していないことに、まず怒る。
同 付則
その上司が「変化を恐れるな!」と言った場合、改革案に対して「こんなリスクがあること出来るかぁ!」と叫ぶ確率は90%以上。
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